目次
1.鹿野地域における子育て支援について
2.鹿野地域の観光振興について
1.鹿野地域における子育て支援について
- 鹿野こども園の一時預かりの実施は十分に行われているのか
𠮷安)今回質問するに当たり、鹿野に移住定住された御家族のお母さん5人にアンケートを取りました。鹿野に来てみてよかったと思うこと、また、不便だと感じることの2つ質問をいたしました。このアンケートは、鹿野のお友達の方がまとめてくださったものです。まず、よかったと思うことを紹介したいと思います。
「人の温かさに救われた」「近所の人が頻繁に声をかけてくれた」「少しずつ生活に慣れたらいいよなと親身に話を聞いてくれた」「そばの実を植えて収穫し、そば料理をみんなで食べたり、空いた土地に花を植えたりした」「おしゃべりを兼ねて地区の草抜きに誘ってもらったり、野菜をお裾分けしてもらったり、人の温かさに触れながら鹿野の生活に慣れた」「近所の人がとてもいい人たちだった」「とても助けてもらっている」「職場の理解がある」「御主人が農業に興味があった」「御主人の仕事の関係でインターチェンジから近い住まいを探していた」「ホタルが家の近くでめっちゃ出る、ライブ配信したらどうか」「子供には自然に囲まれてのびのびと育ってほしかった」「子供が虫を触れるようになった」「サンマートがあるし、コープも宅配の配達範囲内に入っているので食料品の不便は感じない、病院も博愛病院がある」「少人数学級で先生の目が子供に行き届いている」「御主人が中学生のときに鹿野に来て気に入っていた」「畑と古民家がすてきと感じ移住を決めた」「川遊びができてよい」「インターチェンジがあるので、広島、福岡にもすぐに行けるし、徳山、新南陽、下松に下りるにも30分で行けるので不便と感じない」「災害が少ない」などです。
続いて、不便だと感じることや嫌だと感じることです。
「移住者をもっと増やしてほしい」「子供が増えてほしい」「移住して最初の頃は巨大なムカデ、蛇、カメムシ、家の周りの草、大雪、今まで経験したことのない毎日に疲れた」「子育て相談窓口があればよい」「花粉症がきつい」「虫が嫌」「大きい公園がない」「雷の音が大きい」「図書館の裏の芝生広場が子供たちが自由に走り回れるスペースになったらうれしい」などです。
実際に移住定住されたお母さん方の生の声なので、とても貴重な意見だと思います。ぜひとも今後の参考にされてください。
また、その他の意見として、子供への一時保育が利用できない状況で困っていると言われたお母さんがおられました。
そこで、(1)鹿野こども園の一時預かりの実施は十分に行われているのかについて御答弁をよろしくお願いいたします。
答)鹿野こども園の一時預かりについての御質問にお答えいたします。
まずは、今、鹿野に移住されたお母様方の生の声を聞かせていただき、ありがとうございました。大変参考になりました。ありがとうございます。
一時預かり事業は、現在、公立、私立、合わせて22の施設で実施しております。
実施に当たっては、専用保育室を設け、専任の保育士を配置する施設と、鹿野こども園など通常の職員体制の中で受入れに余裕がある場合に預かりを行っている施設があります。そのことから、園の行事や利用者が多く、保護者の御希望に添えない場合はほかの保育施設やファミリーサポートセンターの利用も御案内しているところです。
核家族化や地域とのつながりの希薄化など、子育て中の保護者が孤立しやすい状況において、保育所等が担う役割や機能の充実は重要な課題と捉えております。引き続き保育士の確保や実施施設の増加等、保護者が安心して子育てができる環境整備に取り組んでまいります。
- こども園での一時預かりについて
𠮷安)では、少し再質問をさせていただきますが、その前に、現在はこども園になりましたが、鹿野幼稚園時代の話ですが、幼稚園に給食がありました。これはとてもすばらしいことで、市内他の幼稚園では全て弁当です。これは鹿野に移住を決める決め手になったというお母さんがおられました。
鹿野への移住者で小さいお子様がおられる家族に共通することは、核家族で御両親が近くに住んでいません。子育てをする上で頼れる場所は、こども園だけなのです。
働いていないお母さんが、例えば買物だったり、美容院だったり、ちょっとしたリフレッシュのために1人になりたかったりするときに、どうしても子供を預ける必要が出てきます。そうした際に柔軟な対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
答)こども園での一時預かりについてということでございますが、今、市長のほうからも答弁させていただいておりますが、通常の保育で余裕がある場合にお預かりをさせていただいております。
一時預かりにつきましては、1歳、2歳児のお子さんの利用が大変多くございますので、園のほうでお預かりするに当たりましても、安心して事故がないようにお預かりする責任がございます。その点で、どうしても難しい場合には、他の施設等の御利用を御案内をさせていただいております。ただ、事前に御相談いただいて、なるべく保護者の方の御意向に沿えるようにしっかりと御相談は受けておりますので、引き続き地域の御要望にお応えできるように努力はしてまいりたいと思っております。
𠮷安)なるべく要望に応えていただけるということで、ありがとうございます。
現時点で、こども園のマンパワーが足りていないという話も伺いました。市内どこも保育士不足で悩まれていることは承知しております。その上で、さらに保育士の追加募集を募るなど早急な対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
答)保育士の募集につきましては、通年を通じて募集を努めております。また、保育士の労務軽減のための様々な施策も取り組んでおりますので、こちらについても引き続きしっかりと、一人でも多くの保育士の方がお勤めいただけるように募集をかけてまいりたいと思っております。
𠮷安)ぜひそうしてください。
こども園では、1号、2号、3号認定というものがあります。
1号認定とは、子供の年齢が満3歳から5歳の場合で、保育に必要な事由、保護者の就労、妊娠、出産、疾病、傷害などに該当しない場合に、4時間程度の教育標準時間で通園する際は1号認定となります。1号認定は、公立幼稚園全般ですが、原則、朝9時から昼の3時までの保育時間となっています。
2号認定とは、子供の年齢においては1号認定と同様ですが、保育時間に関して、1号認定の場合は基本的に4時間、2号認定は基本的に8時間から11時間と認定しており、この点に違いがあります。
3号認定とは、1号、2号認定と異なるのは、対象となる子供の年齢です。0歳から3歳の場合、3号の認定区分の範囲内に適応します。
現在、鹿野こども園では1号認定のお子様は朝9時からしか預けることができません。各家庭の事情によっては、園が開いている朝7時から預けたい場合もあると聞いております。ぜひとも子供の預かりということについて、柔軟な対応を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
答)1号認定の幼児教育に該当するお子さんにつきましては、9時までの登園をお願いをしているところでございます。
家庭の状況に応じて、少し早くということにつきましては、園が7時から開いておりますので、個別に御相談していただくことで柔軟に対応はできるというふうに判断をしております。
- 学童保育、通称児童クラブについて
𠮷安)個別に対応していただくということで承りました。ありがとうございます。
それでは、次の質問に移ります。学童保育、通称児童クラブについてです。
こども園では、朝7時から預かってもらえます。しかし、児童クラブでは、朝8時からの預かりとなります。したがって、働いているお母さんは、会社を遅刻して、8時に子供を預けてから出社しているのが現状です。この時間差問題を何とか解決できないかと思い、今回の質問となりました。
そこで、(2)児童クラブの運営について、長期休業などの学校休業日の開所時間は、午前8時からとなっている。開所時間内の送迎が困難な場合があることから、状況に応じて対応することはできないかをお尋ねします。
答)児童クラブの運営に関する御質問にお答えをいたします。
児童クラブは、保護者が就労等の事情により、日中、家庭で保育することが困難な児童を対象とし、適切な遊びや生活の場を提供することにより、児童の健全な育成を図る施設でございます。
鹿野地区では、鹿野こどもすくすくセンターで児童クラブを開設しており、令和3年度、年間を通じて利用する児童は12人で、夏季休業期間中の利用者は17人でございました。
市内の児童クラブの開所時間は、学校の授業がある期間は授業終了後から午後6時まで、夏休みなどの長期休業期間中は、今、議員がおっしゃられたように午前8時から午後6時までとし、年間を通じて午後7時まで延長保育を今行っております。
お示しの長期休業など、学校休業日において児童クラブ開所時間の午前8時に合わせた送迎が困難な家庭があるとの御指摘につきましては、確かに保護者の就労状況などの理由により、開所時間内の送迎が困難な場合もあるというふうに思われます。
しかしながら、児童クラブの運営に当たりましては、毎年200人を超える支援員と補助員を会計年度任用職員として雇用する必要がございます。また、利用する児童が増加する夏季休業期間においては、さらに100人を超える補助員を追加で雇用する必要がありますけれども、現在、人材の確保に大変苦慮しているというのが実情でございます。
児童クラブに対する保護者のニーズは高く、今後も利用児童数は高止まりの傾向が続くというふうに思われますけれども、現在行っております夕方の延長保育に加え、開所時間の前倒しによる保育時間のさらなる延長に対応することは、現状、人材確保の観点から大変困難であるというふうに考えておりますので、御理解いただきますようお願いをいたします。
𠮷安)夕方の延長保育はできても、朝の開所時間を早める保育は難しいのでしょうか。
答)先ほど申しました支援員や補助員の勤務時間といいますか、シフトの関係がございまして、今、なかなか放課後の、夕方の延長保育につきましてもぎりぎりの状態でやっている、そういう状況でございますので、朝延ばすとなると、さらに人を追加しないとできないという、そういう状況もありまして、現在、難しい状況になっているということで御理解いただけたらと思います。
𠮷安)早めるという英断をしていただければ、これは周南市においてとても画期的なことですし、シティープロモーションにもつながると思います。
再度お聞きしますが、児童クラブの開所時間を早めるというお考えは、今後一切お持ちにはならないんでしょうか。
答)今、大変苦慮しております支援員や補助員の方々が、今後、安定して確保できる状況になれば、検討の余地は大変あるというふうに考えております。
ただ、現状の人材確保の観点では、大変申し訳ないんですけれども、児童クラブの開所時間を前倒ししてということは難しいというふうに、今、考えているところです。
ただ、児童クラブを利用されている保護者の方からも様々な声がこちらのほうにも届いておりますので、まずはいろんな方法を駆使しながら、人材確保のほうに努めてまいりたいというふうに考えております。
𠮷安)うまくいくように願っております。
2.鹿野地域の観光振興について
- 市として鹿野地域の観光振興をどう考えているか
𠮷安)皆さん御承知のように、島根との県境にある鹿野は、ピーク時は9,000人近い人口がありました。それが、現在は2,872人にまで減り、10年後は2,000人を切るのではないかと言われています。高齢化や人口減少も進み、空き家や廃屋、耕作放棄地が増え続け、古民家と美しい田園風景までもが失われようとしています。状況は本当に深刻です。今、具体的な対策を打たなければ、事態はさらに深刻になります。しかし、ピンチはチャンスとよく言ったもので、対応次第では周南市の希望の地に変われる、そんな大切な分岐点に、今、鹿野は立っています。
そんな現状に、熱い思いで地域再生に取り組むグループがあります。そのグループが、鹿野の里山木漏れ日計画という活動をされています。10年前に鹿野の風プロジェクトを設立、さらに活動に賛同した6グループが合流し、都会の、癒しや非日常を求める受皿となる、里山木漏れ日計画をスタートしました。その活動は、まさに藤井市長が言われている「日常をときほぐす観光」そのものです。鹿野のグループは、この計画を10年にわたり具現化し、彼らが描いた、田舎に新たな価値を生み出そうと活動しています。
この計画は、目先の交流人口を増やす前に、まずは都会目線で地域の新たな価値を生みたい。他地域との差別化を図りたい。そんな思いから、田舎の弱みを逆手に取り、里山の徹底的な磨き込みを行い、地域価値を見いだす活動をスタートしています。
まず、第1の活動ですが、彼らの活動は、鹿野全体に雑木を植え、緑の優しい木漏れ日で都会の人々を迎え入れたい、そんな思いで、1本のコナラの雑木を植えることから始めました。ただ、鹿野に雑木を植えるにも、たくさんの雑木に囲まれた町です。その雑木を町なかに植えるには本当に骨の折れる、理解を得るに大変な話でした。やれ、秋になると落ち葉が落ちるだの、成長したら守りが大変だの、いろいろな課題がありました。また、コナラの単木の1本の値段は3万円から4万円します。一人一人の説得、資金の確保、その後、辛抱強く8年かけて理解者を増やし、現在は延べ30か所、89本もの植栽を行い、今後も皆さんが羨むすてきな町を想像しながら植え続けるそうです。
第2の活動ですが、地域全体の統一感やイメージ戦略によるアンティークベンチを町全体に置いています。既に35脚を設置しており、この資金は、民間会社から木漏れ日計画に支援を受けているとのことで、今後も続けていくそうです。
次に、第3の活動ですが、木漏れ日計画も軌道に乗り始め、早くから着手したかったのが、本命の交流人口を増やす作戦、それが昨年から始まった花の力を借りた里山オープンガーデンです。実は、全国のオープンガーデンとは違い、原種の花である山野草をメインに、26もの庭やガーデンを期間限定で一般開放します。特に、県内外から多くの人々が来られる山野草の駅をメイン会場とし、大きな相乗効果と集客を発揮、このオープンガーデン期間中に野外コンサートを5か所で同時開催し、自然の中での開催は、おしゃれですてきな時間となりました。
2021年に開催したオープンガーデンは、当初、4月1日から5月31日の2か月間としていましたが、コロナ禍となり、各会場がお客様で密状態となることから、やむなくゴールデンウイークの手前で中止を決断しました。結果、オープンガーデン関係者にコロナの感染者が出ることはなく、中止にした決断は正しかったと思います。
短い1か月という間ではありましたが、総来客者は約1万人を超え、大成功のイベントとなりました。
このオープンガーデンでは、マスコミの取材はお断りしています。マスコミに取り上げてもらうと、確かに集客という面ではかなり効果があります。ただ、誰でも来てほしいわけではなく、本当に花を愛する、自然を愛する人たちだけに来てほしい、そんな思いがあります。よって、現在は口コミだけでの集客ということになっています。不特定多数の人が訪れると、ポイ捨てがあったり、所構わず用を足したり、庭に植えてある花が持ち帰られるなどといった残念な事態が生じてしまいます。反対に、花が好き、自然が好きな人たちは、マナーがよくてきれいな状態が保たれます。来てくれたお客様みんなに、また来たいと思ってもらうように心がけて活動しています。
この里山オープンガーデンは、予想以上に県内外から反響があり、この企画に触発された鹿野の若いママさんグループがアズイズという団体を立ち上げ、フードバンクを活用して地域に根差した食糧配布に力を入れている「ふらっと食堂」や、鹿野の隠れた場所のよさを知っていただく「かくれがマルシェ」を開催しています。そこで、多くの人と人との出会いが生まれています。
また、「防長の吉野をつくる会」では、金峰の方たちが田畑を手入れされ、畑一面に咲いたフジバカマに大量のアサギマダラが飛来して、観光スポットになっています。
また、鹿野随一の紅葉スポットでもある漢陽寺が国の登録記念物になるなど、次々に相乗効果が生まれ、可能性を秘めています。
大切なことは、単なるイベントではないのです。このオープンガーデンを核にして、鹿野全域に多くの人を引き寄せる起爆剤となり、鹿野地域全体で「日常をときほぐす観光」となるよう、そんなすてきな里山が進行中です。
実は、オープンガーデンの開催は、活動グループにとっては手段であり、全体構想の一部です。真の狙いは、交流人口増を恒久的かつ365日高速道路を利活用して、広島や福岡から非日常を求める受皿になるまちづくりです。今後も引き続き活動を続け、次なる第4、第5の壮大な計画がひそかに進められています。
これらの活動を踏まえた上で質問をいたします。
(1)現在鹿野地域では、民間団体等により、新たな観光振興が図られ、「日常をときほぐす観光」へ大きく寄与していると考えるが、市として鹿野地域の観光振興をどう考えているかをお尋ねします。
答)鹿野地域の観光振興についての御質問にお答えいたします。
鹿野地域は、緑豊かな山並みや清らかな水の流れ、また、それらと共にある人々の暮らしなど、地域全体が美しい景観に囲まれ、心癒される景色が広がっています。
観光における重点推進施策として取り組んでいる「日常をときほぐす観光」は、ありのままの自然や地域ならではの歴史、文化を生かした観光であり、鹿野地域はその中心であると考えています。
また、鹿野地域では、色とりどりの草花で彩られた庭を散策する里山オープンガーデン、あちこちに点在するお店を巡る「かくれがマルシェ」、冬の澄み切った夜空の中で楽しむ冬花火銀嶺の舞など、地域資源を生かした地域ならではのイベントが、民間の方々を中心に実施され、多くの観光客にお越しいただいております。
「日常をときほぐす観光」が地域の皆様に浸透し、先ほど議員より地域の皆様の日々の地道な活動の御紹介もしてくださいましたが、こうした取組を通じて盛り上げていただいておりますことを大変心強く感じております。また、感謝申し上げます。
今年度、うれしいことに、漢陽寺の庭園が国の登録記念物に登録されたことで、鮮やかな紅葉に彩られた庭園を観賞しようと多くの方が訪れられたり、コロナ禍のキャンプブームで、せせらぎ・豊鹿里パークの利用者が大きく増加したりするなど、鹿野地域が大変注目されています。
「日常をときほぐす観光」では、多くの方に関心を持っていただくことを目的に、特設サイトを開設し、モデル地区として取り組んでいる鹿野地域から、地域に当たり前にある美しい日常の風景や観光情報などについての発信を始めております。あわせて、案内看板にQRコードを表示し、携帯端末で読み込むと、その場所にちなんだ情報や四季折々の景色を見ることができるといった仕掛けづくりも今年度中にスタートさせ、リピーターの増加や回遊性の向上につなげたいと考えています。
今後につきましても、「日常をときほぐす観光」を中心に、鹿野地域で活動する様々な団体や地域の皆様と連携しながら、観光振興に取り組んでまいります。
𠮷安)様々な取組を考えておられるそうで、感謝しております。
この里山木漏れ日計画は、毎年、約200万円もの資金が必要です。幸い、今ではキリンビール株式会社や花王石鹸株式会社、YS市場コミュニティ財団、国道緑化推進機構などから、奇跡的に各企業の厳選なる審査を通過して支援が続いています。しかし、その支援も続くという保証はありません。この計画を今後も続け、確かなものにするには、市長の力、議会や行政の力をお借りし、全国で疲弊し、苦しんでいる町のヒントとなるよう、周南市、山口県モデルとしてぜひ成功させて、全国から注目される周南市を目指そうではありませんか。いかがでしょうか。
答)鹿野地域の多くの団体の中で活動されている方、そして、団体の皆様には、「日常をときほぐす観光」の推進に寄与していただいております。大変感謝しているところです。こうした地域のイベントにつきましては、周南コンベンション協会を通じて支援をしておるところです。これは、今後も継続いたします。
そして、例えばイベントによっては、後援の申請を頂いて、その後援の中で市として承認ができるものをさせていただいて、しっかり応援させていただきたいと考えております。また、駐車場などのこともございますので、これは市有地について、鹿野総合支所とも協力しながら、協力ができるようにしてまいりたいと思います。
そして、イベントについては、ポスター等をお作りになると思いますので、そういったものは、市の施設ですとか、あるいは提携を結んでいる企業とも連携をして、広報に努めたいというふうに考えています。
例えば、今、企業の補助制度というのも質問の中でおっしゃいましたけども、これは市民活動支援センターの中で、こういった相談をさせていただくことができますので、そういったところにも御案内しながら、ぜひ協力をさせていただきたいと思います。
先ほど答弁にもありましたけど、「日常をときほぐす観光」の特設サイトの中で、これは10月に開設しましたが、鹿野の観光情報やイベント等の情報を積極的に発信いたします。そういったことも支援をしてまいりたいと考えています。
「日常をときほぐす観光」の推進には、地域の皆様の活動、取組が欠かせません。今後も地域の皆様と一緒に観光振興を進めてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
𠮷安)後援を頂けるということだったかと思うんですが、後援とは具体的にどのようなことを言われるんでしょうか。
答)例えばイベントについて、申請を頂くことが前提にはなりますが、申請を頂いた中で、今、なさっているようなイベントであれば、多くは後援させていただけると考えています。その後援をさせていただいた中で、先ほど申し上げましたけど、一つは周南市というバックアップがあるんだということが一つにはなろうかと思いますが、例えば施設をお使いなる場合には少し減免があったり、そういったことが支援させていただけると考えております。
𠮷安)200万円もの資金が必要なことには変わりはありません。
広島の庄原市のオープンガーデンは、観光コンベンション協会が主催しています。庄原市にできて周南市ではできないのでしょうか。大道理の芝桜など、市内でも自助努力で成功しているケースはまれだと思います。鹿野の風プロジェクトのメンバーは高齢化の波が押し寄せています。いつまでも自助努力だけではもちません。こんなときこそ公助の力が必要になるのではないでしょうか。再度お尋ねいたします。
答)今議会で提出いたしました過疎地域持続的発展計画の中に、ソフト事業分として都市農村交流でありますとか、観光振興、こういった事業も盛り込んでおりますので、そういった事業や、あるいは基金も増設しますので、そういったものを活用しながら団体等への支援ができないか、検討をしてまいりたいと考えております。
𠮷安)10月2日に市長室へ鹿野のグループが表敬訪問されました。そこでは、6つの団体がそれぞれの活動を報告しました。当初30分の予定でしたが、話が盛り上がり、10分延長していただきました。その場で市長は、前から描いていたことを既に実行に行動し、進めていただいていることに感激と言われたと聞いております。今でも、そのお気持ちに変わりはないでしょうか。
答)変わりはございません。これからもしっかり応援したいと思いますし、検討してまいりたいと思います。
𠮷安)ぜひその市長の思いを形に移していただいたいと思います。
3.起立性調節障害を持つ児童生徒への対応について
- 本市の小中学校で、起立性調節障害を持つ児童生徒の人数は
𠮷安)令和3年10月、児童生徒の問題行動、不登校等についての文部科学省の調査結果が公表されました。その中の不登校についての調査ですが、全国の小中学校で2020年度に不登校であった児童生徒は前年度比8.2%増の19万6,127人で、過去最多となったことが分かりました。
不登校は、病気、経済的理由、感染回避などを除いて、年間30日以上登校していない状況を指します。新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国の学校で一斉休校が実施されました。多くの学校、ここ周南市でも、令和3年3月から5月まで休校が続き、その後も夏休みの短縮など学校生活が一変しました。コロナ禍の影響もあったと思われます。
不登校の原因の中に、起立性調節障害というものがあります。日本小児心身医学会の説明によると、起立性調節障害は、立ちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴う自律神経機能不全の一つとあります。軽症例を含めると、小学生の約5%、中学生の約10%、そのうち重症は約1%、不登校の約3割から4割に起立性調節障害を併存するそうです。
一般的な症状の立ちくらみ、朝の起床困難、気分不良、失神や頭痛で午前中に強く症状が現れ、午後には軽減する傾向があります。夜になると元気になり、テレビを見たりすることができ、目がさえて寝られず、起床時刻が遅くなり、悪化すると昼夜逆転してしまうこともあります。もちろん、一日中症状のある重症の子供たちもいます。
このような症状から、ゲームなどでの夜更かしが原因だと考え、怠けと叱責したり、朝、無理やり起こそうとして親子関係が悪化したり、担任の先生からの指導で悩んでいる家庭があります。
私自身、息子が中学2年生のときに、この起立性調節障害を発症した際、親子関係、学校との連携でいろいろな経験をいたしました。当時の下松市立久保中学校の先生方には、息子の病気のことを理解して協力していただき、誠に感謝しております。また、病気による不登校が原因でいじめにつながることもなく、クラスメイトにも恵まれたと思っています。今では病気だったことがうそのように症状がなくなり、高校3年間は皆勤でした。今は、この経験から、起立性調節障害中国山口親の会に、周南市でも会をお願いしたいと親の会の招致を行い、同じ悩みを持つ親同士の情報交換の場をつくっています。
そこで質問いたします。(1)本市の小中学校で、起立性調節障害を持つ児童生徒の人数は、をお尋ねします。
答)本市の小中学校で起立性調節障害を持つ児童生徒の人数についての御質問にお答えをいたします。
先ほど議員が申されましたように、一般社団法人日本小児心身医学会によりますと、起立性調節障害とは、立ちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に発症することがある自律神経機能不全の一つであるというふうにされております。
近年の研究によって、重症になりますと自律神経による循環調節が障害され、日常生活が著しく損なわれ、長期に及ぶ不登校状態やひきこもりを引き起こし、学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となるということが報告されております。
教育委員会では、市内小中学校において、この起立性調節障害を持つ児童生徒の総数については把握できておりませんけれども、先ほど議員が言われた文部科学省が毎年実施しております児童生徒の問題行動、不登校等、生徒指導上の諸課題に関する調査の中の長期欠席者数のうち、起立性調節障害に起因して一定期間以上欠席した児童生徒の人数につきましては、令和2年度、小学校で3名、中学校で5名となっております。
今年度の4月から9月分の同調査におきましては、小学校で2名、中学校で7名と報告を受けておるところでございます。
𠮷安)平成31年の3月の議会において、遠藤議員から起立性調節障害の質問があったかと思います。そのときは、平成29年度、長期欠席者のうち起立性調節障害に起因するとして報告を受けた生徒は4名、中学生ということでした。また、その際に、遠藤議員からの学校や家庭での正しい認識や共通理解を深めるための研修についての質問に対して、研修などを行っているとの御答弁であったかと思います。
現在、山口県内では、山口市、和木町、そして、本市において、親の会が開催されております。親の会での親御さんたちからの悩みとして、担任の先生との関係が難しいという意見がよく上がります。担任の先生方が悪いというわけではありません。先生方は、本当に親身になって子供たちのことを考えてくださっています。親御さんたちは、先生方との連携がうまく取れないという意見をお持ちです。病気の症状などに対する詳しい情報が少ないため、対応が難しいのではないかと考えます。
- 起立性調節障害を持つ児童生徒が学校生活を安心して送るために、教員は症状に対する正しい理解を持つことが必要と考えるがどうか
𠮷安)(2)起立性調節障害を持つ児童生徒が学校生活を安心して送るために、教員は症状に対する正しい理解を持つことが必要と考えるがどうかをお尋ねします。
答)起立性調節障害を持つ児童生徒が学校生活を安心して送るために、教員は正しい理解を持つことが必要と考えるかどうかという御質問にお答えいたします。
児童生徒が安心して安全な学校生活を送るためには、議員がおっしゃられるとおり、教員が起立性調節障害を含めまして、様々な児童生徒の状況を正しく理解するということが必要であるというふうに考えております。
この正しい理解を図るために、各学校においては、まず年度初めに起立性調節障害を含めまして、児童生徒の様々な状況を全教職員で共通理解を図るという会を設けております。また、定期的に開催いたします児童生徒の状況を共有する会議などを通じまして、校内での情報共有と共通理解を図り、同一歩調で適切な対応を行うことができるように、各学校、努めているところでございます。
起立性調節障害の子供は、先ほどありましたように、欠席が長期に及ぶケースということもあることから、対応の窓口になることが多い養護教諭が担任や保護者と細やかに連絡を取り合い連携するなど、該当児童生徒が登校しやすい環境づくりにも努めているところです。
また、欠席が長期に及ぶことで学習や進路に不安を抱えている児童生徒や保護者もいるというふうに思われますことから、タブレット端末を利用して学習保障を行う取組を進めたり、中学校における進路指導では、進路選択に関する十分な情報提供を丁寧に行ったりすることで、不安の払拭に努めながら、一人一人の児童生徒に寄り添う対応を心がけているところでございます。
𠮷安)私が親御さんから聞いているよりは丁寧な対応を取られているんだと思いました。
親御さんは、決して特別扱いや丁寧な対応を望んでいるわけではありません。今後も先生方が起立性調節障害について知る機会をつくっていただくようよろしくお願いいたします。
児童生徒本人または親御さんが気づいていないだけで、もしかすると、軽症で、今、朝起きられない、倦怠感、頭痛などで悩んでいる子供たちもいるかもしれません。そして、児童生徒の中には、朝起きることができてから登校したりする子もいます。その際、クラスの同級生などから、怠けだとか、ずるいなどと言われ、途中からの授業に参加しづらい環境になってしまうと、ますます学校に行きたくなくなってしまうと思われます。
そこで質問です。
(3)起立性調節障害の早期発見にもつながることから、児童生徒も症状に対する正しい理解を持つことが必要と考えるがどうかをお尋ねします。
答)起立性調節障害の早期発見にもつながることから、児童生徒も症状に対する正しい理解を持つことが重要と考えるがどうかということについての御質問にお答えをいたします。
児童生徒が起立性調節障害で見られます立ちくらみや朝起きの不良、あるいは倦怠感などの体調の変化に気づくということは、早期発見、あるいは適切な対応につながるものというふうに考えております。
小中学校においては、保健の授業において、心と体の関わり、ストレスによる健康への影響などの単元を扱っておりまして、体調の変化に気づくことやストレスからくる症状がどのようなものであるかを知ること、さらに、心身の状況の変化などについて悩みがあれば一人で抱え込まず養護教諭やスクールカウンセラーなどの大人に相談するといった対処方法を知ることなどについて、指導をしているところでございます。
こうした学習を通しまして、自分自身の心とか体の変化に早期に気づき、適切な対応ができるようになることにつながるのではないかというふうに考えております。また、その学習の中で、周りの友達の変化にも敏感に気づくことができ、温かい人間関係の構築にもつながるのではないかというふうに考えております。
さらに、学校が作成します保健だよりや学校保健委員会などを通じまして、心と体の関わりなどについて、児童生徒のみならず保護者への啓発や周知を図るとともに、保健室での保健指導や相談などを通して、適切なアドバイスをすることで、こちらも早期発見や適切な対応につながるよう現在努めているところでございます。
𠮷安)起立性調節障害の子供たちは、学校に行かないことに罪悪感を持っています。多くの子供たちが起立性調節障害について知ることで、もしかしたら自分もそうかもしれないと、起立性調節障害の早期発見につながり、重症化を防ぐことにもなるのではないでしょうか。今後の対応をよろしくお願いいたします。
先生との関係が難しい中に、朝の出欠連絡がつらいという意見もあります。児童生徒本人もですが、親御さんも学校を休む、学校を遅刻することに罪悪感を抱いていらっしゃいます。特に電話による朝の出欠連絡は毎朝繰り返されることで、申し訳ない気持ちでいっぱいになるとの声が多く聞かれます。今の時代ですから、電話にこだわらずにメール等での出欠連絡を可能としてもらえないでしょうか。
- 起立性調節障害を持つ児童生徒の保護者は、毎朝学校に出欠の連絡を行っている。保護者の負担にならないような方策を検討できないか
𠮷安)(4)起立性調節障害を持つ児童生徒の保護者は、毎朝学校に出欠の連絡を行っている。保護者の負担にならないような方策を検討できないかをお尋ねします。
答)起立性調節障害を持つ児童生徒の保護者は、毎朝学校に出欠の連絡を行っておられます。その保護者の負担にならないような方策を検討できないかということの御質問でございますが、起立性調節障害を持つ児童生徒の保護者を含めまして、長期欠席、児童生徒の保護者につきましては、毎朝の欠席連絡が心理的な負担となっているというケースは多くあるというふうに思われます。
一方で、毎朝の出欠の確認については、学校が児童生徒の安全を確認するために必要であり、一人一人の状況を連絡を受けたときに把握しながら、個に応じた適切な対応につなげるためにも欠かせないものでもあります。
欠席連絡の方法につきましては、従来の電話連絡だけでなく、オンラインを活用するなど工夫した方法で対応している学校もありますが、オンラインの活用に当たっては、個人情報保護やオンライン結合等について十分配慮してく必要がありますので、今後、欠席連絡の保護者負担の軽減や学校と家庭との連携ということを考慮しながら、よりよい在り方につきまして、研究をしてまいりたいというふうに考えております。
𠮷安)確かに学校ごとの対応になってくることでもあるかとは思います。ですので、まずは起立性調節障害への理解を持っていただき、その上で、児童生徒との関係、また、保護者の方との連携を取っていただくようお願いしたいと思います。
連絡手段もですが、今は進路についても多様性があり、学ぶ方法もたくさんあります。起立性調節障害の子供たちは、出席日数が足りずに全日制の高校への進学が難しくなります。令和4年4月には、県立の多部制定時制高校の山口松風館高校も開校されます。これからの進路の選択肢は、通信制や定時制も含め、たくさんあることを児童生徒本人、また、保護者の方に対しても先生方から伝えていただくことで、子供たちが自信をなくしたり、自尊心を失うことのないようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
答)今、おっしゃられましたように、来年4月に、新山口の駅の近くに松風館高等学校という新しい学校が県立でできることになっております。そうした学ぶ機会、あるいは学ぶスタイルというものが、現在、様々取られておりますことから、そういった情報が各学校から保護者等を通じて、あるいは子供たちのほうに伝わっていくということは非常に大切なことだというふうに考えております。
先ほど申しましたように、長期に欠席が及ばれる御家庭に対しては、各学校のほうから進路担当の者であったり、学級担任であったりが、確実に丁寧に進路に関する情報というのは届けているというふうに私は認識しておりますので、そういったものを参考にしながら、担任の先生方や管理職でも結構ですので、とにかく保護者のほうとも一生懸命相談をしていきながら、よりよい進路選択につなげていければというふうに考えております。
𠮷安)前向きな御答弁ありがとうございました。